こんなヤツが、永輝くんと柚羽さんのことを知りたいだなんて。
僕が知っている二人のこと。
あまりにも悲しすぎて、腹立たしくて……。
救われるような話なんか、何一つないんだ。
それを聞いて、おまえはどうする?
何も出来やしないだろう――?
「永輝くんは結婚予定のかんなさんを残して死んだ。それが真実だよ」
「……柚羽さんのことは」
柚羽さん――。
永輝くんがひたむきに思い続けた、最初で最後の人。
そして、永輝くんに人間らしい感情を持たせるきっかけになった、たった一人の人。
「さぁな。ただの都合のいい女に過ぎなかったんじゃねぇの?」
僕は、見下すようにして鼻で笑う。


