忘れることなんて、できないくせに……。
何年経っても、永輝くんは絶対に柚羽さんを忘れることなんてできないよ。
そう反論しようと思った。
まだ諦めないでほしいって、永輝くんを元気付けたかった。
だけど……。
顔を伏せた永輝くんの瞳から、ポタポタと零れ落ちる涙。
呼吸ができないくらいに、僕の胸は苦しくなる。
永輝くんの涙を見るのは初めてだったから……。
どんなに励ましても、諦めずに頑張ろうよと声をかけても……。
無意味なことだと、その涙を見て僕は思った。
姉さん。
永輝くんはこんなにも辛いんだよ。
辛いのは姉さんだけじゃないんだ……――。


