「それで、いいのか?」 何度、永輝くんにこの言葉を投げかけたんだろう。 永輝くんはこれまでと同じように、ゆっくりと頷く。 「――遼太郎」 「………」 目を少し伏せたまま、永輝くんはぽつりと呟く。 「人間は忘れることができる生き物なんだ」 「………」 「だからきっと、俺も忘れることができるから……」 どうして……。 忘れないといけないんだ? 柚羽さんのことを、あんなにも思っていたのに。