「俺の家で会うといいよ」
「えっ……?」
突然切り出した僕を見て、永輝くんと啓介さんが同時に声を上げた。
僕はそばにあった、水が張ってある灰皿用のバケツにタバコを投げ入れる。
「永輝くんが俺の家に先に来て、俺が柚羽さんを迎えに行く。……どうかな」
「でも……」
「俺が会社に直接迎えに行って、柚羽さんと会った後にまた会社に送る。それなら姉さんにバレないと思うけど」
こういうのも悪知恵の部類に入るのだろうか。
姉さんを騙すことに少しだけ胸が痛んだけれど……。
けれど、それ以上に、永輝くんの辛い表情を見続けていることはもっと胸が痛む。
「そうだな。それがいい」
名案とばかりに、やっと笑顔を見せた啓介さんと……。


