僕と啓介さんは、永輝くんに電話をして休憩に入る時間を事前に確認した。
そして、その時間に合わせて永輝くんの職場へと向かった。
永輝くんはネクタイを外しシャツの裾を捲り上げた、ラフな格好で現れた。
僕たちの前に出てくるなりタバコに火を点け、続いて啓介さんもタバコを取り出す。
そして僕もまた、最近覚えたばかりのタバコに火を点けた。
永輝くんと啓介さんに比べて、まだ吸い始めて間もないタバコを持つ手がしっくりと馴染まない。
三人とも同じタイミングでタバコを吸い、同時に白い煙を吐き出した。
「柚羽ちゃんには会えたのか?」
「……いえ、まだ……」
柚羽さんにはもう会わない。
だけど、最後にもう一度だけ会いたい。
そんな永輝くんの願いは、四六時中そばにいる姉さんの存在が邪魔して、未だ果たされないままだった。


