「柚羽さんを好きなら、はっきり言えばいいだろ?」
当然のようにさらりと言ってのける僕を見て、永輝くんは悲しそうな顔をする。
「かんなとのことがハッキリ済んでから、言おうと思ってる」
「なんで……」
「未だにかんなとの関係が続いているんだ。そんな曖昧な中で、柚羽に思いを伝えたところでどうなる」
永輝くんの顔に苦悩の表情が見える。
姉さんとの関係をきっぱり絶とうとした時、姉さんは永輝くんの目の前で、自分の腕にカッターを容赦なく走らせた。
「ハンパなことはしたくないんだ。まずは、かんなとの関係を完全に断ち切ってから……って思ってる」
「……姉さんは……」
姉さんと二人きりで話したことを思い出す。
何とか手を打たなきゃね、と呟いた姉さんの低い声。
永輝くんが柚羽さんを好きになったことを、一時の気の迷いだとも言っていた。


