そして、まだ会ったこともない、永輝くんが好きな『彼女』のこと。
永輝くんが彼女を深く思っていることも知った。
「柚羽……、彼女のことはかんなには言わないでください」
そう啓介さんに懇願する永輝くんの言葉に、彼女を守ろうとする強い意志が見えた。
永輝くんを深すぎる愛情で一方的に縛り付ける姉さんが、彼女の存在を知ったらどうなるのか……。
それは僕でさえも想像がついた。
啓介さんが帰った後、永輝くんは柚羽さんのことを初めて、僕に話してくれた。
専門学校に通っていた頃にバイトしていたコンビニ。
そこで出会ったということ。
出会った瞬間に、彼女を好きだと思ったということ。
そして……。
永輝くんを「好き」だと素直に言う柚羽さんに対して、永輝くんが自分の思いを告げられずにいること……。


