チームに入ったきっかけ。

永輝くんのように強くなりたい。

伊地知を失って、ぽっかりと空いた穴を埋めたかった。


それらを完全にできなかった僕はきっと、輝いた笑みを浮かべる同期のヤツらとは対照的に、乾いた笑みだけを浮かべるだろう。



『先にあがって、同期のヤツらよりも一歩前に進め』



永輝くんはそう言って、俯いた僕の頭を、いつものように優しく撫でた――。