半年前の時は、携帯電話にメールが送られてきた。
 だが今回は何もない。

 あの時と同じ奴だとは考えにくいが、真純が連れ去られたのだとしたら、何か要求があるはずだ。

 あの頃、裏稼業で使っていたメールアドレスは廃棄したが、もしかしたら自分のパソコンにメールが来ているかもしれない。

 ほとんどゼロに近い可能性に一縷の望みを託して、進弥は立ち上がり、のろのろと二階へ向かった。

 考えてみれば、真純の親族の連絡先を進弥は知らない。
 自分のせいじゃなかったとしても、行方不明になったのだとしたら、知らせなければならないだろう。

 明日になっても真純の行方が分からなければ、とりあえず真純の親友でもある自分の上司、辺奈課長に知らせようと思った。

 自室に入った途端、ギクリとして進弥は足を止めた。

 カーテンを引いていない窓から射し込む月明かりの中、ベッドの布団がこんもりと盛り上がっているのが見て取れた。

 泥棒や不法侵入者なら、こんなあからさまな隠れ方はしないだろう。