私は帰るのが めんどくさくなり、お母さんに電話を掛けた。今日は勘ちゃんの家に泊まると一言だけ言って電話を切った。
「さぁ私も そろそろ下に行こうかな」
私は立ち上がり、勘ちゃんの部屋にあった鏡を見ると 目が とても腫れていた。これはヤバイと思ったけれど、そのまま階段を降りて下に行った。




「またせてすいません」
下に行くと、安本先輩の隣に彼女さんが座っていた。私は勘ちゃんの隣に座った。安本先輩は私の顔を見て ビックリしたようだった。けれどビックリされても仕方がない。私は目が見えないくらい瞼が腫れているのだから。




「美香ちゃん…どうしたの?」
「なんでもないです」
安本先輩は向かい合っていた私の顔を覗き込み、心配そうに私を見つめた。安本先輩は優しすぎです…。こんな時まで優しくされたら…諦められなくなりますよ?私は また泣きたくなったけれど 唇を噛み締め、グッと涙を堪えた。