「本当によかったのかな?」
「なにが?」
「浜岡くんを置いてきて…」
「大丈夫だよ!!」
萌ちゃんが私を励ますように背中をバシバシと叩いた。
萌ちゃんは力が強く、叩かれたら ものすごく痛いけど…それは萌ちゃんにとって、愛情表現の気がするから嬉しい。



「でも…約束してたのに…」
「来なかったのは浜岡だよ?美香は悪くないよ」
「ありがとう」
私達は、通学路を通りながら少しずつ歩いた。2人で見た夕焼けは、なぜか いままでの夕焼けとは少し違う気がした。まるで、これから神様からの贈り物があるみたいに、眩しいくらいに私達を照らしていた。