声の主は…聞かなくてもわかる。
絶対に勘ちゃんだ…。
「勘ちゃん…」
私は、いまにも消えそうな声を振り絞って必死に声を出した。



その時、私と妃菜は
勘ちゃんの力強い腕に引っ張られた。
「大丈夫だったか?」
「うん。ありがとう」
「妃菜も大丈夫か?」
「まぁ一応」
「よかった。」




あれ?
なんか今なら いける気がする。
『勘太郎を誘惑しなよ』
妃菜が言ってた あの言葉を思いだし、私は実践してみようと試みた。
でも…やっぱり無理だ…。