「あ、」
勘ちゃんが突然 立ち止まり前を見た。
「どうしたの?」
私は勘ちゃんの見ているほうに視線を移すと…
「あ…先輩…」
そこには先輩が立っていた。




私はもう、揺らがない。
けっして迷わないよ。
「おはようございます!!先輩」
私は元気いっぱい先輩に あいさつした。
「お、おはよう」
朝からあまりにテンションの高い私に、先輩は少し驚いていた。




「勘ちゃん、行こう!!」
私は勘ちゃんの腕を引っ張り、先輩の横を通る。
通りすぎる瞬間、私は先輩に
「ありがとうございました…さようなら…」
と、勘ちゃんには聞こえない小さな声で呟いた。