私達が病室に行くと、先客がいた。
「あ、幼馴染みの…」
この間、勘ちゃんの家に来ていた女の人が先輩を見て泣いていた。
何度も何度も名前を呼びながら泣いていた。
「勘ちゃん…今日は帰った方が…」
「そうだな」




私達が帰ろうとした時、
『ゴトッ』
「あっ…」
私は持っていたジュースを落としてしまった。
「もう、なにやってんだよ」
勘ちゃんがジュースを拾おうとした時、後ろから声がした。




「あなたたち…空の友達の…」
「田村勘太郎と相田美香です」
勘ちゃんは私の分まであいさつをし、病室に入った。
「ゴメンね…迷惑かけてしまって…」
女の人は泣きすぎたせいか、目が真っ赤に腫れていた。