昼休み、私は日菜子と萌ちゃんと三人で屋上で昼食を食べていた。
「ねーね」
「ん?」
「恋ってさ…甘いのかな?」
「えっ?」
いつもは、そんな事を聞くはずのない萌ちゃんが真剣な顔で私たちに問う。




「私は…苦いと思うよ」
日菜子が少し意味ありげに首をかしげながら言う。
「なんで?」
「これ食べてみて」
日菜子はそう言うと、チョコレートを差し出した。私はそれを一粒 手に取り、パクリと食べた。




「うわ、にがー」
「でしょ?」
私が食べたチョコレートは、カカオ100%かと思うぐらい、とっても苦い味だった。
「恋もきっと…こんな感じなんだよ…」
「で、でもさ…甘い恋もあるよね?」
私は恐る恐る尋ねた。