「えっ?」
「やっぱり安本先輩には敵わねぇな」
勘ちゃんは笑っているけど…その笑顔が少し寂しそうに見えた。
「帰るぞ」
「どこに?」




「俺の家に決まってんだろう。今日はみんなで泊まり」
「でも先輩が…」
「大丈夫。俺がついてるから」
勘ちゃんは そう言って、私の肩を優しく抱いた。




「私、勘ちゃんに甘えてばかりだね」
「そんな事ない」
勘ちゃんは真っ直ぐ前を見たままだった。
「いつもありがとう」
「なんだよ、改まって」
「いや、なんとなく」
こうして私達は誕生日を終えた。