私には、あの先輩が
どこの誰なのか、どこの中学校なのか
全く知らない…。
だって今日 会ったばかりだから。




「美香ちゃ〜ん!!」
その時、後ろから私を呼ぶ声がした。
振り向くと妃菜が手を振りながら
駆け足で私に近づいてくる。
「どうしたの?」
「いま決勝戦 始まってるから見た方がイイと思うよ!!」
「でも…いま そんな気分じゃ…」




私が、そう言い終わる前に
妃菜は私の腕を強く掴んで
無理矢理 会場へ連れ込んだ。