1時間目の授業が始まった。科目は私の大嫌いな数学だ。
「で、ここは こうなる」
数学の先生が授業をしている間、私は ずっと窓の外を見ていた。
「あっ!!!」
運動場の方を見ると、見覚えのある人物が走っているのが見えた。




「勘ちゃん!!!!」
私は走っている勘ちゃんを見つけ、授業中にも関わらず大きな声で叫んでいた。
「相田!!うるさいぞ!!」
「あ、すいません」
教室からは笑いが起きていた。日菜子が私を見て、『ばーか』と言っている。




私は恥ずかしくなり俯いた。
「続き始めるぞ」
先生が そう言うと同時に教室のドアが勢いよく開いた。
「遅れてすいません」
「田村、遅いっ!!早く席に座れ」
「はい…」