私は教室に戻ってから午後の授業を聞いて日菜子と一緒に、いつもの通学路を帰っていた。
「田村なんて言ってたの?」
「昨日、家に忘れた ハンカチを渡してくれたよ」
「そうなんだ…」
日菜子は少し気まづそうに私の隣を歩いた。




「お〜い」
私と日菜子が歩いていると、後ろから聞きなれた声が聞こえた。
「あっ!!妃菜!!」
後ろを振り向くと、妃菜が手を降りながら走ってこちらに向かっている。
「妃菜ちゃんだ!!」
「あっ!!日菜子先輩。どうも」




日菜子が妃菜を知っているのは当然だ。だって私達3人は同じ部活だし。妃菜と私は…いとこ同士だから。
「いまから どこか行きませんか?」
「いいねぇ〜」
日菜子と妃菜は なにやら2人で盛り上がっている。
「美香も来るよね?」
「もちろん」
私は日菜子に聞かれて、迷いなく答えた。いまは なにかで気を紛らわせたかった。