「これ、部屋に忘れてた」
「あっ……」
私は勘ちゃんに渡された物を見て、少し驚いた。昨日 私は勘ちゃんの部屋に ハンカチを落として来て しまっていたのだ。
「それだけだから」
「あ、ありがとう…」




勘ちゃんに冷たい態度をとってしまった事を後から後悔した。勘ちゃんは どんな時でも優しい。ハンカチぐらい…放っとけばいいのに…私に渡さなくてもいいのに…勘ちゃんは優しすぎる。こんなときでも優しい…。




「じゃぁ」
勘ちゃんは、私を見ずにハンカチを渡して スタスタと歩いて行ってしまった。勘ちゃんが私を見ずに行ってしまったことが とても悲しかった。自分勝手かもしれない。私は勘ちゃんに冷たい態度をとっているのに勘ちゃんに冷たくされたら悲しいなんて…私は本当に自分勝手で わがままだった…
そして私は、このまま ずっと勘ちゃんと気まずいままの関係が続くのか…不安だった。