男の姿が消えた。背後に迫った者達の顔に恐怖。一人消え、また一人。 有名になったものだ、と溜息まじりに逃げる背中へナイフを投げてやる。命中!「ぎゃっ」という声がした。そして側に降り立つ。 砂のように消えたそれは、洋服のみを遺すのだ。 「ならば我等は月に愛されたとでもいうのか」 男の声は悲しげに、真夜中の闇へと沈んでいく――――。 * * *