すると…
「なぁ、アドレス教えてくんねー?」
隣の彼がそう言い出した。

「え?」
頭の中は真っ白。
「だから、アドレス教えて?」

ど、どうしよう…
焦った私は、茜に急いでメールを送った。

だが、茜は隣にいる男の人と話し込んでいて気付く気配すらない。

ぁぁぁぁあ…ど、どうしよう…
こ、断ったらダメなのかな?

ふと、彼を見ると今にも泣きそうな目で私を見ている。

は、はぅぅ……かぁいい…

じゃなくて!
でも、断わるのも悪いし…教えちゃおっかな…

「いいですよ…」

私のその言葉一つで彼は笑顔になった。