初恋は涙の味

「んじゃ、始めるよ?」

結局私は、茜に化粧をしてもらうコトになった。

(もしも、眉毛が太くマジックで書かれたらどうしよ…)

でも、そんな考えはすぐに捨て去るコトとなるのだ。

「はいっ!出来たぁ♪」

ふと、鏡を見る。

「?!?!こ、これ私?」
「そうに決まってるっしょ?」

そこに写っていたのは…とても私には見えない人。
なんて言うか…その…可愛くなった…??

「スゴイね…!」
「でしょ?」
と、茜は満足気に言う。

化粧で女は化けるって…本当だったのか…
少し驚きながらも、鏡を何度も見つめ今の自分に酔いしれてしまう。

「あんたはナルシかっ…」
鋭い茜のツッコミにより、私は現実に引き戻された気分になった。