ココは無理矢理、視線を逸らし俯いた。
「私は…いらない子なんです。
ルクさんにも迷惑かける、絶対…」
目元がじわりと熱くなって、視界が歪んだ。
何を泣いてるの…私…。
自分はいらない子。
お母さんはいつも邪魔そうにこっちを見て。
ココは目からこぼれる涙を拭った。
そのとき。
ふわっと何かに包まれた。
「……っ!?」
ココは涙を流したまま状況を確認しようとする。
暖かい、ここは。
ルクの胸の中だった。
ルクはきゅっとココを抱きしめた。
「泣かないで? 僕まで悲しくなる」
ルクはそういうとココの頭をなだめるように撫でた。
おっきな掌に撫でられてくすぐったいけれど、温かくて。
ココはしばらく涙を流していた。
さらにもうしばらく経つとすっかり涙は引っ込んでココは落ち着いていた。
それを見てか、ルクはゆっくり抱きしめる力を緩めた。
「…ごめんなさい、泣いたりして。」
ココは謝ると同時に恥ずかしくなって俯いた。
こんな見ず知らずの人にすがって泣くなんて。
でもルクはにっこり笑って言う。
「元気になったなら、いいんだ。
もう泣かないでね?」
ルクはまたココの頭を撫でると甘く耳元で囁いた。
「誰にも必要とされてない?
それは違うよ。
僕も今まで誰にも愛されなかった。
でもココは僕を綺麗といってくれた。
だから…今日から僕が、君を必要とする」
ルクが耳元でクスリと笑い、くすぐったくて
ココは耳を押さえて首を引っ込めた。
必要と、してくれる…?

