「ふうん。中々いい名前だね。
甘そうな名前。」
ルクは微笑みを浮かべたまま、ココに顔をよせたまま、言った。
「君は、人間の世界で
悩んでることでもあった?」
悩んでること…そんなの、たくさん…
「…あります」
ココは暗い気持ちで答えた。
誰かに、愛されたい。
でもそれは叶わなくて。
自分をかまってくれる人なんてどこにも居ないんだと思うとココは悲しくなった。
すぐそばでルクが黄金色のの眼差しを細めて悲しそうな表情をした。
「ココがほしいのは何?」
まるで心を読んだみたいにルクの口からそんな言葉がこぼれた。
「私がほしいのは…」
ココは口ごもった。
こんなこと、この人に言ってどうするの?
ココのそんな思いとは裏腹にルクはそっと言った。
「愛がほしい、とか?」
ココははっと顔をあげた。
ぶつかりそうなくらい近くにある黄金色の瞳に吸い込まれそうになる。
「僕なら君を愛せる。」
ルクの言葉が甘く、響いた。

