ルクは困ったふうに、唇を噛む。
ひどくつらい選択を迫られたようなそんな表情を浮かべている。
そしてついに小さく言った。
「…わかった。」
とても悲しそうな表情で。
ズキリと心が痛くなったけれどそれでもココはルクに死んでほしくなかった。
「ククク、それで良いのだ」
ココはふわり、と抱きしめられてルクの腕に深く沈む。
ぎゅっと抱きしめられてルクが耳元で囁く。
「…必ず、戻ってくるから」
そう言ってルクは体を離した。
温もりが消えて、悲しくなる。
ルクは大人しく、でも挑むように黒ずくめの男を睨みながらその傍へ行った。
男は懐から手錠を取り出してガチャリとルクの腕につけた。
まるで、大罪者を捕まえるみたいに。
「…僕は、犯罪者じゃないんだけど?」
同じことを思ったのかルクはドスの聞いた低い声で言う。
すると男は笑った。
「いや、これからすることがあるのでな?
お前に邪魔されたら困るからな」
すること…?
他に、何があるの?
男はにやりと笑ってこちらを見た。
「まさか…!」
ルクがさっと血相を変えて男に掴みかかろうと動く。
その瞬間手錠から鋭い電光が走った。
バチリと音がなり、ルクはそのまま倒れた。
「ぐあっ…!」
「ルク!!」
その光景が、ひどく嫌で。
さっきまで黙っていたダニエルとくろも横で身じろぎした。
それでも男は何でもないように言う。
「そこの二人も馬鹿な真似は止したほうがよかろう…
抵抗すると、徐々にあの手錠の
力は増すように出来ているからな」
その言葉にダニエル達も、ココも凍りつく。
ココはぎゅっと手を握りしめた。
何もできない自分が、特殊な血をもつ自分が、
腹立たしくて、悲しくて。
男は言った。
「苺の血をもつ人間の娘よ、
お前にも来てもらうぞ」

