甘党狐とココア。



「はっ…笑わせるな」


黒い男はルクの言葉を嘲笑うようにそう言いながら笑う。



それでもルクはその狂気じみた笑顔を崩すことなく、わざとらしく首を傾げて見せた。


抱きしめられる力に少し力がこもった気がした。


「妖怪と人間の交流には許可がいるはずだろう?
それも必要以上にかかわるのは禁止だ、知っているだろう」


黒い男はにやりと笑い話を続ける。



「だから俺はその娘が人間界に戻ったときに、妖界と人間界をつなぐ扉を、羽で一時的に封印した。
それを、お前は破った」



ココははっとその時を思い出した。

あの、一度人間界に戻ったとき。

カフェへの入口は消えていて、ココは疲れ果てて倒れてしまった。


あの時ー…?


ココはぎゅっとルクの服を握る手に力を込めた。


何か、大変なことをしてしまった、そんな気がして。