甘党狐とココア。



ローブの下から覗く、瞳。


影で見えにくいけれどその瞳は怪しげに輝いていた。


その視線はルクからココにゆっくりと移された。


無表情なその顔は異常に白く、
ー…死人のよう。



「お前が、人間の娘か」



そう、冷たく重いずっしりとした重圧ののった声で言われ、
ココはびくりと震えた。


「あ……ぅ…」



唇がわなわな震えて、上手く返事が出来ない。


でも、頭上からふわりと優しくて甘い声が降ってきた。


「大丈夫だよ、ココ。
コイツはまだ何もしてこないから。」


じんわり、甘い声にココの緊張がほぐれてくる。


ココはつまりかけた息を吐きだし、ため息をついた。



それを見計らったかのように黒い男が言った。



「…どうやらそのようだな
ルク・アルテュール、お前は俺の警告を受け取らなかったようだが…」



ルクがふっとまた男を睨む。


「警告?何のことかな。僕は何もしてないよ?」


ルクは狂気じみた笑顔でにやりと歯を見せて笑った。