甘党狐とココア。



あれからカフェの仕事をしてお手伝いしているうちに
いつのまにか夕暮れになったらしい。


お客さんはもう来なくなってカフェには静かな雰囲気が残る。


あのブレスレットのおかげかあまりに人間だと気づかれなくて。


ほっとしながら楽しく手伝いをした。


あとからわかったことだけれどくろはここのカフェで
たまにバイトをしているとのこと。



ダニエルも何だかんだ言って手伝っているらしい。






「さ、もう閉めようか」


そう言ってルクは扉の前に"Close"の札をかけた。


ココもひょこりとついて行きルクの傍に立つ。


何だか、嬉しいな。

楽しくて、幸せで、あったかくて。

昨日みたいにルクに怪我をさせるのは嫌だけれどずっと傍に居たいと思った。


顔が緩む。



「何にやけてるの?ココは面白いね?」


不意にふってくる、そんな声。


見上げるとくすくす笑うルクの表情。



「に、にやけてません!」



すぐに言い返すけれどルクは無視して笑った。


そのままダニエル達のところに戻りちょいっと手を振る。




「ほら、おいで」




手を広げるルクの傍にココは近づく。


もうすぐルクの手に触れるー…その時だった。




ひらりと黒い羽が舞い踊るように目の前に落ちた。