「やれやれ。
僕は嫌われてしまいましたか?」
怯えきったココを見てそう言うとノエルは立ち上がり腰にさした短剣を抜く。
「や…やめて…」
ココはそう言って、逃げ出すために立ち上がろうとしたけれどー…
「残念でしたね?ココ嬢。
立つのは無理でしょうね、それでは」
ノエルの言うとおり、立ち上がれなかった。
さっき地面にたたき付けられた時、足を捻ってしまったのだと思う。
ノエルが、にやりと笑う。
赤い瞳は狂気に満ちて、私を見て光った。
体が、震えるのを感じた。
「怯えなくていいですよ?一瞬、ですから。
苺の血を戴くだけです…最もー…」
ノエルが一度言葉を切り、短剣をココの喉元に当てる。
そして、顔をよせると小さな声で言った。
「貴女は死んでしまいますけどね」
ココの体を恐怖が突き抜けた。
死ぬのが、嫌で。
頭にルクのいたずらっぽい笑顔が浮かんで消えた。
ー誰にも愛されないで
私は、死ぬのかな…
でもルクに見つけてもらわなかったら
私はどのみちここで死んでいたんだから…
ココは、目を閉じた。
ノエルが顔を離し、短剣を振り上げる。
さよならー…

