甘党狐とココア。



「あの…私…」


ココは小さく呟くようにそう、言い出そうとする。


「どうしたの?…顔色、悪いけど」


ルクが優しく気遣うようにココを見て問い返す。


ダニエルも青い瞳をこちらに向けて首を傾げる。


ココは俯いて、泣きそうな声で言った。


「…二人が、危ない目にあうんじゃ…?」


するとルクは頷き、何でもないように言った。


「確かにね。でもココを守るためなら僕は気にしないよ」



…そんな。



ココは目をぎゅっとつむった。

守ってもらうことなんか私には初めてで…



怖い。



自分のせいで誰かが傷つくかもしれないのが、怖くて。

いつもはしっこで誰にも愛されない自分の姿が浮かんだ。


「ココ?どうしたの?」


震えるココをルクが心配そうに聞く。


ルクの手が、こっちにのばされる。

その手が触れる、寸前。

ココははっと顔をあげた。


「ココ…!?」


ルクとダニエルの驚いた声。

ココは泣いていた。


「ごめんなさい…私…っ二人に迷惑かけたくないんです…
私、ここにいちゃだめ...ごめんなさい」



そしてココは止める二人の声を振り払いカフェを飛び出した。



カラン、カランー…





静かに、なったその音だけがココの耳にのこっていた。