甘党狐とココア。



白いこの場所を、走る。
走るー…


閉じられた人間界の扉には鴉の羽でできた札が貼ってあった。



鴉の仕業か…!


僕は思わず唸り声を漏らす。



その声は、獣のそれだった。



しかしハッと気がつきすぐさまその札を剥がし、人間界に出るとー…



すぐそばに買い物でもしたらしい紙袋を抱えたまま横たわる、ココの姿があった。




「ココ…!」



僕はココを抱きしめた。


夜をむかえた人間界は冷え込み
ココの体は冷たい。



体を離し、ココの顔をみる。


殴られた跡とー…


泣いた跡が、残っていた。






「ちゃんと、戻ってきてくれようとしていた…」





僕は笑顔をもらす。

そして大切そうにココを抱え

またカフェへ戻るー…