甘党狐とココア。



……まったく

何て奴だ。意味がわからない。


僕は別に隠しごとなんてしていない。


「何のこと?僕には全然わからないな」


でも、ダニエルはめげない。


「ハッ!馬鹿いえ!じゃあ
お前の体についたその"ニオイ"は何だよ」


ルクはぎくりとした。



…うっかり、していたな…


もう隠しても無駄か。

僕はため息をつき、
ついと顔を向こうに向けて呟いた。




「人間が来た。」




…沈黙。
そして次の瞬間ダニエルが腹を抱えて笑い出した。



「シシシシシッ…何だよ…
そんなこと?ククッ…」



「…何が面白いの?」



僕は、不機嫌に聞く。

しかしダニエルは笑うことをやめない。


ルクは不愉快になりそのまま近くにあったタオルでダニエルを叩いた。


「ダニエルこそ、何しに来たの?
今日は定休日なんだけど」



そう、定休日だ。


…僕の気まぐれで。



「いやいや、ちょっと用事があってさ!
今日ココに泊めてくれないか?」



「嫌だ」



「ひどいだろ、即答はひどいだろ」



ルクの即答にダニエルは嘆くように言う。


とにかく断ってやる、と僕は思っていた。


…ココが、帰ってきてくれるかもしれないんだから…


しかしダニエルは首を振り、急に言う。


「その娘さんは今何処に居んだ?
よくわからないが人間界につながる

お前の扉…閉じられてたぞ」



その瞬間、ルクはバッと立ち上がった。



「…どういうこと?…誰の仕業?」



ダニエルはしらない、と首をふる。


もしかしてココはー…







僕は次の瞬間、店から飛び出していた。








「やれやれ…」




店のいすに腰掛けたダニエルのそんな声を背後に聞きながら。