甘党狐とココア。



あれからー…

そのすぐあと、ルクは一度ココを家に返すことにした。

「家族とお別れするため」

別に、そんなのは理由じゃなかった。


自分のモノにしたくなった少女。

ココは本当にそれでいいのかを確かめたかった。



嫌なら二度とここには帰ってこない。


帰ってこなかったのなら、それでいい。


だって僕はー…




コロン、コロン…




カフェの鈴が鳴った。
ルクはゆっくり顔をあげる。


この音は、妖界からのお客がきた時の音。



「いらっしゃい」



ルクは無表情に挨拶した。



「何だよ、相変わらず無表情だな」


ルクはちらりとその相手を見やる。


常連であり、親友である…ダニエルだ。


頭からは黒い耳がぴょこんとのぞき、まとう服も黒が基調。


彼は、"猫"の妖怪。


「僕はいつもこんな顔だけどね?」


ルクはちょっと皮肉っぽく言う。

するとダニエルはニシシっと笑う。



「わかってるって!それより…」



ダニエルはそう言ってルクの目を覗き込む。


ダニエルの青い瞳がじぃっと僕を凝視する。


「何?…うっとおしいんだけど…」


ルクはため息をついて迷惑そうなそぶりで目を逸らす。



するとダニエルは ー…



「なぁに、隠してるんだ~?」



茶化したようにうたぐりの目を向けた。