そこに居たのは小柄でふわふわしたクセのある長い金色の蜂蜜みたいな色をした髪の長い少女だった。
華奢で、不安げな少女。
触れたら消えてしまいそうに少女はか弱く見える。
「誰も…いない、のかな」
少女はカウンターの席におそるおそる座り、呟いた。
ルクはそっと少女の裏からまわり、声をかけた。
「誰?…君、人間?」
自然と警戒したみたいに低い声が出てしまった。
少女は怯えたような、困ったような顔でこちらを見る。
「あの…えっとっ…ご、ごめんなさい!」
ついには立ち上がりペコペコお辞儀をしだす始末。
ちょっと驚いたけど…
何だか、可愛いくてルクは思わず笑みをもらした。
「ここは人間の来るところじゃないよ?
どうやって入ってきたの?」
ルクは優しく聞いた。
いじめるのも可愛いそうだ。
少女は首をかしげてそれから小さく言った。
「人間、ってどういう意味…?あなたは人間じゃないの…?」
…しまった。
僕はうっかり口をすべらせてしまったらしい。
正体を知ったら、この可愛い少女も逃げてしまうだろうか。
ルクは困ったように笑みを浮かべ呟くように答える。
「僕の姿を見たら、皆怖がるんだ。きっと君も怖がる。」
まったく、そんなこと言って僕は何をしたいんだろう…
僕を怖がらない人間なんて居ないのにね。
少女は、不思議そうにこちらを見た。

