キィッ…
木で出来た自分の家の扉をココはそぅっと開いた。
何で開いてるんだろう。
きちんと鍵を閉めたはずなのに…
ココは不安になりながら家に入ったけれど、すぐにその理由がわかった。
玄関には、お母さんの靴。
ココは顔を伏せた。
お母さんに最後に会うなんて…とても、最悪だ。
置き手紙なら何にも言われなかったかもしれないけど直接言ったらきっと怒りだす。
ココが居なくなったら家事をする人がいなくなるから。
ココはゆっくり嫌々、家に上がる。
リビングの扉を開くと香水のニオイと派手な母の姿。
お母さんは私に気づくと罵声を浴びせた。
「どこに行ってたの!?部屋をちらかしたままで!!」
入るなり怒鳴られた。
…何よ…
何よ何よ…!
私は奴隷じゃないんだから!
「早くかたずけて!」
何で私が怒鳴られないといけないの…?
ココは次の瞬間には怒鳴り返していた。
「私は貴女の奴隷じゃない!!たまにしか帰ってこないくせに偉そうにしないで!」
部屋が、しんと静まり返る。
次の瞬間母がこっちに向かって歩いてきて思いっきりココの頬を打った。
「誰に口を利いているの!いい加減にしなさいよ!!」
何度も、何度も殴られた。
ココは唇を噛み締めた。
ほら、愛なんてないじゃない。
私はなんのために生きてるの…?
さっきまであんなに幸せだったのに。
違う…。
私は……私はルクさんのところに戻るんだから…!
ココはいきなり立ち上がると母を払いのけて母の財布をとった。
「私、出ていくから!!もう関わらないで」
ココはそう言うと怒りで何やら怒鳴る母を放って
家を飛び出したー……

