甘党狐とココア。



さっき来た道をココはてくてく戻って行く。


真っ白いこの町にあるのはココの色だけ。


さっきは迷ったけれど今は迷わずすんなりと
あの小さな扉に着いた。



この扉に入ると
しばらくあの低い道…。



正直言って少し怖い。



でも、ココは扉を開け、
勇気を出して屈み込みながら入った。


また、この場所に来るために…



私を本当に愛してくれるかもしれない
人が居る、この場所に。





「ぷはぁっ」


しばらくするとようやく扉を抜けた。
いつもの色がある世界。



がやがやした夕暮れの時間で
ココはちょっと目をつむった。



さっきまで静かなところに居たから、ちょっとうるさい…




ココは立ち上がると帰りたくもない家に向かった。