「今夜はこのまま寝ましょうか」
「無理!絶対嫌!!」
「心配しなくても、次代夢見姫任命までは、手を出しません。
それくらいはわかっております」
武家の男を婿に迎える。
夢見姫を『降りる』のに、そんな理由をつけたものは、今までいない。
普通は死亡か老化か、だ。
きっと私は、最初に結婚した夢見姫として、
伝説になってしまうだろう。
……横でのん気に寝転ぶ、この男の腕で。
うっかり想像してしまった私はさらに緊張し、
全ての関節がカチコチに固まってしまった。
博嗣は、そんな私の横で、くすくすと笑い続けていた。



