しばらく、通りすがった格好で静止していた両者だったが、
とうとう、豊橋が先にひざをつき、その場に崩れ落ちた。
博嗣が勝ったのだ。
長刀を持ったまま、博嗣は振り返る。
そして、豊橋の遺体に向かい、
その首を、落とした。
しん、とその場が静まり返る。
戦が終わった瞬間だった。
勝者はたった一人。
敗者は呆然と、その場に立ち尽くした。
「姫……」
博嗣はこちらを見て、
腹を押さえたまま座り込んでしまった。
「博嗣っ!!」
私は結界を解き、彼の元へ走る。
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