「斬れ!斬り捨てろ!!」
少し後に下がった豊橋の声が聞こえた。
それを発端に、鋭利な切っ先が一斉に博嗣を襲う。
しかし博嗣は、逃げも隠れもしなかった。
斬りつけてくる槍や刀を二本の刀で受け、弾き返す。
相手が体勢を崩した瞬間、胴をなぎ払い、
反動をつけ回転しながら、後にいた敵の喉を引き裂いた。
その後頭部で結った長い髪が背中につく前に、
博嗣は空へ跳躍する。
驚き見上げる武者たちの真ん中に着地しながら、
交差していた両腕を開いた。
ばっ、と、真っ赤な花弁が博嗣の体に降り注ぐ。
その一振りで、博嗣の周囲に、死体の円陣ができた。



