戦国より愛を込めて 【六花の翼・番外編】



着弾の煙の中を、博嗣は人並み外れた速さで駆け抜けた。


そのまま、敵軍に突っ込んでいく。


なんて無謀な、と思ったのは一瞬。


鉄砲の弾は外せば、できるのは死角だけ。


博嗣はぎらりと光ったその刀で、次々に鉄砲隊の人間を斬った。


一振りで、何人もの人間が倒れ、

赤い花が咲いては散っていく。



「くっ……鉄砲隊、下がれっ!!」



豊橋の号令で、生き残った鉄砲隊は、死体を踏みつけて後へ下がる。


変わりに槍や刀を持った者達が、博嗣を囲んだ。