目覚めた時のような、鷹のような目の光が、見上げた顔にはあった。
「あなたの力は、何かを守るために使うべきです。
人を攻撃し、傷つけるのは武士の役目」
「博嗣……」
「西条最強と謳われた剣、お見せいたしましょう」
そう言うと、博嗣はにこりと笑った。
いつもの、優しい顔で……。
「いや……っ」
いくら強いと言っても相手は多数、しかも鉄砲を持ってるのよ?
死なないって保証は、どこにもないじゃない。
「ぅてぃっ!!」
こちらの状況はお構いナシに、鉄砲隊は再度こちらに一斉発砲した。
思わず結界を張ると、その横から博嗣が、
脇差を抜いて敵軍に向かって駆け出す──!
「博嗣っ!!」
行かないで。
今朝の夢で、銀髪の青年を見送った時より数倍、胸は痛かった。
ああ。
きっと『まりあ』も、こんな気持ちなのね。
帰ってきて。
お願いだから。
あの青年も、博嗣も。
帰ってきて……。



