「お前達などに、情けをかけようとしたのが間違いだったか……」
戦を起こした領主達は仕方ないが、その家来達は巻き込まれた被害者だと、
今まで思っていた。
しかし、それは違うようだ。
戦に出た時点で、誰もが被害者であり、加害者なのだ──。
「……私が、終わらせてやる……
こんな戦も、お前達の命も……」
自分の中の霊力が燃え、周囲に砂埃を巻き上げる。
どうなったって、かまわない。
傷つけられたままでいるのは御免だ。
私は、彼らに向かって呪いの言葉を吐こうとした。
同時に、数多の銃口がこちらに向けられ、引き金が引かれようとした、その時だった。
「──豊橋様!!」
突然敵軍の後の方から、声がした。



