戦国より愛を込めて 【六花の翼・番外編】



息を整え、第二弾にそなえる。


しかし、このままではまずい。


霊力を削られ、殺されるだけだ。


では、相手に攻撃するか?


全員の気を失わせるには、霊力も時間も足りない。


さて、どうするか……


迷っていると。


空間を切り裂くような、高い音が響いた。



「っ、防御!!」



とっさに結界を張るが、遅かった。


豊橋の背後から、号令もなしに、不意打ちされたのだ。


鉄砲の弾は結界ができる前に、私の腕をかすめた。


皮膚を裂かれた痛みと熱さで、一瞬目がくらむ。


しかし、倒れるわけにはいかない。



「……卑怯な……」



傷口を押さえ、ただちに治癒するように念じる。


痛い。


怪我をして血を流したのは、子供の時以来だ。


そして、痛みとは別のものが、ふつふつと自分の中に沸き立つのを感じた。