戦国より愛を込めて 【六花の翼・番外編】



(防げ!!!!)



私の目の前、そして背後に巨大な霊力の壁ができる。


それと同時に、数多の発砲音が耳をつんざいた。


鉄砲の弾は私の出現させた壁に当たり、ぽろぽろと落ちていく。


簡単そうに見えるだろうが、それぞれ単独で飛んでくる弾を残らず落とせるよう、

壁には常に霊力を送り込み、強化しなければならない。


第一弾を受けただけで、すでに息があがりつつあるのを感じた。



「…………っ、ばけものめ……」



私の力を目の当たりにした豊橋の家来たちの目は、恐怖におののいていた。


しかし、逃げ出せばすぐそばにいる主君に斬られてしまう。


そんな恐怖の方が勝るのか、逃げ出すものはいなかった。



「交換だ!!」



熱くなった銃身を冷やすためか、火薬を詰めなおすためか、

豊橋はじめ鉄砲隊は、背後の者にその銃を投げ渡す。


するとすぐに背後から、新しい銃が送られてきた。



「なるほど……西条の剣術指南役も、逃げ出すはずだ」



自分達の世界に閉じこもっている間に、世間は変わっていっている。


『まりあ』の生きる時代には、いったいどれほどの破壊力の武器が生み出されるのだろうか……。