ああ、辛いのね。


行かないで。


彼女だってきっと、あなたがいないのがわかったら、泣いてしまうわ。


そんなに愛しているなら、そばにいればいいじゃない。


私が、なんとかしてあげる。


できることなら、念じて叶えてあげるから。


お願い、行かないで……



私は青年の後を追い、縁側へ出た。


しかし、そこにいたのは……


立派な具足を身につけた、博嗣だった。