* * *


「…ん…。」

「…早いね、夢。」

「ショ…ウ…。」


ゆっくりと目を開けると、何も服を着ていないショウの上半身が目に入った。
…嫌でも、昨日のことを思い出す。その瞬間、いきなり羞恥心があたしを襲う。


「顔、真っ赤。また襲いたくなっちゃうんだけど。」

「っ…ふ、服着て!あたしも服…着るっ…!」

「何そんなに照れてるの。昨日全部見たのに。」

「全部見たとか言わないで!」


恥ずかしい。…思い出せば出すほど恥ずかしい。ねだったのは…間違いなくあたしだ。
ショウに背を向けて身体を隠すようにしてベッドを出ようとした、その時。


「っ…な…!」


後ろから伸びてきた強くて長い腕に掴まった。ショウはやっぱりまだ何も着ていない。直に触れ合う肌が熱い。それに、首筋にあたるショウの鼻がなんだかくすぐったい。


「はなっ…離して!」

「嫌だよ。だって俺には夢が必要だから。…離して、あげない。」


耳元で甘く、そう囁かれればあたしの単純な思考も身体も途端にあたしの言うことを聞かなくなる。
その隙を見抜いたショウがあたしの首筋に唇をつける。


「も、もう充分!キスマーク、もうたくさん!」

「どれだけ俺が夢を必要としているか、分かってもらおうと思ってね。」

「じゅっ…充分分かったからっ…。あ、あたしだけがショウを必要としてるなんて…もう言わないっ…!だから離し…」

「離さないって言ったでしょう?俺だけの…サンタクロース。」


*fin*