「んっ…はぁっ…ショ…ウ…?」

「そんな声で、呼ばないで。」


またしても言葉はキスに飲み込まれる。
角度を変えてはまた交わる唇に息つく隙さえ与えられない。


「っ…はぁ…はぁ…んっ…。」

「引き金引いたの、夢、だからな…。」


首筋にショウの頭が降りてくる。
苦しいくらいの熱と一緒に痛みが走って、所有の印をつけられたことを感じる。
…前はあんなに嫌だったこの行為も今は心地良いと感じるのだから不思議だ。所有印なんて、煩わしいだけだったのに。


「…ショウ。」

「なに…?」


首筋から顔を離したショウの顔は、今、目の前にある。
あたしはそっと右手でショウの頬に触れた。そして少しだけ首を伸ばして、ショウの唇に唇を重ねる。


…生まれて初めて、自分からキスをした。
求められるがままにキスをしたことならば何度もある。ショウとのキスも数えきれないくらいしてきたけれども、それはいつだってショウからだった。


「…メリークリスマス、ショウ。あたしからキスしたの、人生で初めて。」

「…クリスマスプレゼントは君がいい。だから…キス、ありがとう。お返し。」


お返しに振ってきたキスはあたしがしたものほど軽くはなかった。それに一度でもなかった。


少しずつ肌が露わになって、肌と肌が重なって、肌に唇が降りてくる度に身体が熱くなる。
丁寧に愛撫され、愛されている、大事にされていることをこれでもかというくらいに感じさせられる。


初めてショウと繋がった時、あたしの目から静かに涙が零れ落ちた。