「ひなたの方から来てよ。抱きしめて。そしたら俺も抱きしめ返す。」

「え…あのでもその…私から…ですか…?」

「そう。俺、クリスマスプレゼントはひなたからのハグがいい。」

「は、ハグ…。」


にっこりと笑ってそういう佑介さんはやっぱりどこか可愛くて、願いを叶えてあげたいなと思ってしまう。
…恥ずかしい気持ちがないわけじゃないけれど。でも、たくさんの勇気をもらったお返しはちゃんとしたいと思うから。


「あのじゃあ…えっと…こう…でいいですか?」


私はゆっくりと、ぎこちなく佑介さんに手を伸ばした。右腕を背中に回し、左手で佑介さんのスウェットの胸元辺りをぎゅっと掴む。


「…うん。最高のクリスマスプレゼント。じゃあお返し。」


額に優しく触れたのは、佑介さんの唇だった。その行為に反応して顔を上げると、さらに優しく微笑んだ佑介さんがいた。


「あのっ…。」

「んー?足りない?じゃあ…。」


唇に、さっきよりもずっと深く唇が重なった。すぐには離してもらえない。さっきよりも…長い。


「っ…はぁ…はぁ…。」

「ひなたーこの程度のキスでそんなんじゃ、この後大変だよ?」

「っ…そんな恥ずかしいこと、言わないでくださいっ!」

「そんな可愛い顔で言われても逆効果だよー。」


そう言って今度は頬に降りてきたキス。ちゅっという甘い音が余計に頬の熱を上げていく。


「…顔、真っ赤。」

「…佑介さんのせいです。」

「だとしたらこれ以上嬉しいことはないね。」

「…いじわる、です。」

「ごめんごめん。もうほんとに何もしないから、だからもう少しこのまま…ごろごろしてよ?」

「…はい。」


*fin*