「やっと凜の顔も戻ったことだし、来週のクリスマスイブの計画でも立てようか?」

「え…?」

「初めて一緒に過ごせるクリスマスだし、俺も仕事休みだし、凜も休みじゃなかったっけ?」

「私は休みですが…颯さんもお休みなんですか?」

「休み勝ち取ったんだよ!」

「そうだったんですか!…嬉しいです。」


小さく笑ってほんのりと頬を染める彼女。…たまらない。可愛い。


「あー…我慢しきれなくなりそう…!」

「へ?」

「クリスマス、…我慢できっかなぁ…俺。」

「い、今更何を言ってるんですか!我慢も苦じゃないって…!」

「いや、まぁ…凜に嫌われることを天秤にかけたら苦じゃないけど、でも苦だよ…。だってこんな触れられる距離にいて、結構凜も無防備で…なのにさぁ…。」

「は、話が違います!というかクリスマスの話をしていたはずじゃ…。」

「ま、そうなんだけどね。凜はどこ行きたい?」

「…クリスマスってどこも結構混んでませんか?」

「まー混んでるよね。でもそれ怖がってちゃどこも行けないけど。」

「…どこも行かなくていいです、私。」

「え?」

「だって颯さんと一緒に過ごせるんでしょう?その…適度に距離は取ってもらえた方が我慢しやすくなって良いかとは思いますが…。
でも、やっぱり一緒には過ごしたい…です。」

「っ…なにそれ…半殺しじゃん。」


でも、それでも、クリスマスを一緒に過ごせることに笑みを零す彼女は無敵に可愛い。だからきっと、俺は半殺し状態を甘んじて受け入れるのだろう。